福岡県筑後市のリサイクル店経営の夫婦が従業員ら3人への殺人や傷害致死の罪に問われた裁判員裁判で、福岡地裁(平塚浩司裁判長)は8日、夫の中尾伸也被告(49)に懲役28年(求刑無期懲役)を言い渡した。殺人罪は認めず、3件とも傷害致死罪に当たると判断した。
リサイクル店事件、妻の殺人罪は認めず 懲役30年判決
伸也被告は妻知佐被告(47)=一審で懲役30年、控訴中=と共謀。2004年6月、従業員日高崇さん(当時22)の顔を殴るなどの暴行を繰り返し、死亡させたほか、06年10月には義弟の冷水(ひやみず)一也さん(当時34)とその息子大斗ちゃん(当時4)に繰り返し暴行し死亡させたなどとして起訴されていた。
公判では、日高さん事件の殺意の有無が争点となった。6月にあった知佐被告の判決では殺人罪の成立を認めず、今回の判決も認めなかった。伸也被告が傷害致死罪は成立しないと訴えていた、日高さんと大斗ちゃん事件については、いずれも傷害致死罪が成立すると認めた。
地裁は知佐被告に対する判決で、夫婦には「包括的な共謀関係」があったとして知佐被告に懲役30年を言い渡した。検察、知佐被告の双方が控訴している。