小枝守・拓大紅陵前監督
■第1試合 聖光学院―クラーク国際
動画もニュースも「バーチャル高校野球」
力のあるチームと対戦する時、気後れして余計なミスでピンチを広げることがある。初出場のクラーク国際は平沢津が粘り強く投げ、打線がコツコツ当てる普段通りの戦いに徹することだ。聖光学院は1番松本、6番小泉が打率4割台。中軸以外にも好打者がいる。その前で流れを切られると少しずつ動揺が出てくる可能性がある。気を付けたい。第1試合は開始直後と終盤で温度差がある。集中力を維持できるかどうかも両チームにとってポイントだ。
(小枝守・拓大紅陵前監督 1992年全国選手権準優勝)
■第2試合 松山聖陵―北海
全国最多37回目の出場となる北海に、初出場の松山聖陵が挑む構図。昨夏出場の北海にも初めての甲子園という選手はいて、出場回数が必ずしも有利に働くとはいえない。どちらが先に自分のペースに持ち込むか。北海は主将でエースの大西が、昨夏の甲子園で1死も取れずに降板。雪辱に燃えているだろう。松山聖陵は打率4割超の大村や2本塁打の稲葉が勝負強い。エースのアドゥワは身長196センチで能力の高い右腕。34犠打と小技を駆使する北海打線に、落ち着いて対応したい。
(東哲平・敦賀気比監督 2015年選抜大会優勝)
■第3試合 尽誠学園―作新学院
尽誠学園のエース左腕渡辺が、栃木大会の打率が4割を超える作新学院打線を抑えることが出来るかどうかに注目したい。渡辺は、作新学院打線の半分以上を占める左打者の内角をうまく攻めることができれば、簡単には打たれないだろう。6年連続出場の作新学院には下級生の頃から甲子園を経験したような選手も多く、大舞台に強い。対する尽誠学園は9年ぶりの夏の甲子園だが、選抜準優勝の高松商を香川大会で倒したという自信を大切にして戦えればいい。
(森士・浦和学院監督 2013年選抜大会優勝)
■第4試合 秀岳館―常葉菊川
基本的に互いに強打のチーム。だが、常葉菊川は以前と違ってバントもする。秀岳館は機動力が加わった。これは、強打だけではころっと負けることを防ぎ、コンスタントに勝つための方法で、横浜や帝京など強豪校が一度は通ってきた道。どこまで「打」を貫いて、どこで小技を織り交ぜるのか注目だ。また、私は投手だが、強打のチーム相手には絶対に直球を真ん中に投げないで、さらにスローボールをどう投げるのか考えていた。だから投手陣がどう抑えるのかも楽しみだ。
(松本稔・中央中等教育学校監督 前橋の選手、監督として甲子園出場)