モニタリングポストを視察する三反園訓知事(左から2人目)=19日午前、鹿児島県薩摩川内市久見崎町
三反園訓(みたぞの・さとし)鹿児島県知事が19日、九州電力川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の周辺を視察した。地元住民から意見や要望を聞き、避難道路を見学した三反園知事は、避難計画を見直す必要があると述べた。同日夜まで視察を続け、その結果を踏まえて近く九電に川内原発の一時停止を申し入れる考えだ。
特集:川内原発
三反園知事は19日午前、原発から半径5キロ圏内(PAZ)にある薩摩川内市の集落や、半径30キロ圏内(UPZ)に入る隣の同県いちき串木野市内を視察。事故の際に使われる予定の避難道路を見たり、認知症の高齢者向けのグループホームを訪ねたりした。
報道陣に対し、三反園知事は「道幅は狭くて急カーブもあり、避難できるのか問題がある。避難計画を含めて見直す必要がある。想定外の事態も含めて実践的な避難訓練も必要」と話した。
4月の熊本地震後、川内原発の安全性に対する不安の声が強まっているとして、三反園知事は7月の県知事選で川内原発の一時停止と再点検などを訴えて初当選。8月下旬から9月上旬をめどに、九電に一時停止を申し入れる考えを示している。(斉藤明美)