熊本地震、ニーズ映した検索 SNSはマイナスの面も——贯通日本资讯频道
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熊本地震、ニーズ映した検索 SNSはマイナスの面も

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「セブンイレブン」「水道」「ガス」の検索データの変化


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ビッグデータの活用を進める自治体は、熊本地震の被災地での検索データをどう見るのか。地震の「本震」直後から被災地に派遣され、情報収集にあたった佐賀県庁職員の円城寺雄介さん(38)に話を聞いた。


特集:検索データが語る熊本地震


■ビッグデータを行政に生かす


佐賀県は、救急医療や交通などの分野でビッグデータの活用を進める先進県だ。円城寺さんは、その中心的な役割を担ってきた。医務課勤務時代は、救急車に配備したタブレット端末でデータを収集・分析し、ドクターヘリの配備につなげた。その後は、県がもつ行政分野のデータを公開する「オープンデータ」を進めてきた。2012年には、ICTを使った地域活性化を支援する「ICT地域マネージャー」を総務省から委嘱され、全国の自治体で講演や助言を行っている。


現在は県庁政策課の「特命担当」。熊本地震の際、佐賀県が被災地を支援するために必要な現地の情報を集め、支援先の自治体との調整を行う情報連絡員(リエゾン)として活躍した。


■現場での肌感覚とデータがぴたり


インターネット検索大手のヤフーは、今年4月14日の熊本地震の発生後に被災地で検索された膨大なワードについて分析。このデータの中から、円城寺さんがまず注目したのは、次の三つだった。


【ガス】


【水道】


【コンビニ】


「まず驚いたことは、僕が現場で感じた肌感覚と、データがぴたりと合っている。みなさん、復旧が始まる頃に一番情報を調べると思うので、そこが検索数のピークになると思います。水やガスは同時と思われがちですが、実際は水道の復旧の方が早くて、ガスは遅れた。検索ピークのずれは、まさにこの表れですね」


「コンビニやスーパーも、18日には熊本市中心部の県庁周辺ではパンなどの商品が入り始めていましたので、18日で検索数が落ちているのは、私が現場で見た肌感覚と合っています」


■SNSはマイナスに働いた一面も


円城寺さんは、同じネット上の情報として、検索データとSNSの違いを指摘する。


「検索データは、その時々のニーズを反映していると思いますが、SNSは拡散していく過程でタイムラグが生じてしまいます。東日本大震災の時は『SNSが役に立った』と言われましたが、今回、SNSは残念ながらマイナスに働いた面があったと思います」


「今回のSNSの問題点は2点。ひとつは、古い情報がいつまでも出回ることで、支援物資が過剰に届いてしまうこと。せっかくおにぎりを送っていただいたのに、廃棄処分せざるをえないということがありました」


もう1点は、局地的な情報がクローズアップされすぎることだと指摘する。


「物資が足りない一部の地域の情報が拡散されすぎて、熊本全体がそうであるかのように誤解されました。例えば熊本県内でも、西原村や南阿蘇村は、本震から日数がたっても水や食料が不足していましたが、一方で、車で1時間ほど走った山鹿市では、ある程度不自由なく水と食糧が手に入る状態でした」


■全国のデータとも比較してみたい


今回のヤフーの検索データは、熊本県内からの検索を抽出しているが、円城寺さんは「全国の検索データとも比べてみたい」と話す。


「熊本県内の検索データは、リアルタイムに必要とされている情報。これに対して、熊本以外の検索データをみると、古い情報や一部の情報に影響されて検索数が増えている、といった結果が出ているかもしれない」


支援のミスマッチを解決するためにも、円城寺さんは、検索データの分析には位置情報を加えることが欠かせないと提案する。


「時間軸での検索数の把握や分析だけでなく、検索した人の位置情報を地図に落としこむことができるといいですね。今回の熊本地震は、局地災害でした。ニーズが具体的に、いつ、どの場所で起きているのか、を把握できれば、的確な支援につながります」


「災害時には、どうしても感情的になりがちです。行政が感情的になってしまうと大局的な視点を失い、かえって災害対応や支援の判断を間違ってしまうことがあります。データを見て、冷静さと大局的な視点を取り戻すことも、災害時には必要だと思います」


■将来の防災にどう生かすか


最後に、ビッグデータ活用の先進県として、今回の熊本地震での検索データを将来の防災にどうつなげるか、助言をもらった。


「検索データを災害時にいかすためには、平時からデータを取っておく必要があります。災害時だけのデータでは、『この検索数は正常なのか異常なのか』という数字の評価ができません」


「そして、ビッグデータ分析でよくある落とし穴は、すでに起こったことをデータで裏付けて『へー。やっぱりそうだったんだ』で終わってしまうこと。ではどう改善するか、と動くことが大事です」


「熊本地震の後、東京の人に会うと『九州は地震で大変でしたね』と言われます。でも、例えば首都直下型地震は、すぐ起きてもおかしくないですよね。熊本地震のデータや教訓をもとに、自分の街で起きたらどうするか、考えた方がいいと思います。平時にできていないことは、非常時にはもっとできない。これは、阪神淡路大震災からの災害時の鉄則です」(原田朱美)



えんじょうじ・ゆうすけ 1977年生まれ。2001年佐賀県庁入庁。医務課、情報・業務改革課などでデータ活用に尽力。最近は医療ビッグデータを使った大病の予測、ドローンやロボティクスの活用にも取り組む。著書に「県庁そろそろクビですか?『はみだし公務員』の挑戦」(小学館)。



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