築地市場で競りに出されたマグロ=2012年1月、東京都中央区
すしネタの大トロや中トロの原料として人気が高い太平洋クロマグロについて、保護策を話し合っていた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の北小委員会が2日、福岡市で閉幕した。日本は従来の規制に加えて新たな漁獲制限を提案したが、米国はさらに厳しい制限を求めて反対。合意に至らなかった。新たなルールづくりは1年後の会合に持ち越された。
会合には中国、韓国、米国などが参加した。太平洋クロマグロの親魚の資源量は、ピークだった1961年の約16万トンから、2014年は約1万7千トンに落ち込んでいる。14年には国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定。昨年1月から親魚になる前の小型魚の漁獲量を半減させる規制が始まった。
日本は今回、小型魚の発生が過去最低水準を下回る事態が3年続いた場合、翌年から漁獲量を半分に減らす「緊急措置ルール」を提案した。米国は「発動のためのハードルが高すぎる」と効果を疑問視して反対。オブザーバー参加の欧州連合(EU)も同調したという。台湾は、逆に漁獲量を減らす提案が「厳しすぎる」と反対した。
高級魚の太平洋クロマグロは、世界のマグロ類の漁獲量全体の数%にすぎないが、その8割を日本が消費している。中国など海外の日本食ブームや、養殖で育てるために幼魚をたくさん捕まえるようになったことも、資源量が減った要因とされている。
■資源管理、成功例も
マグロの減少は、あらゆる海に…
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