営業運転に入った四国電力の伊方原発3号機(右端)=愛媛県伊方町、井手さゆり撮影
8月に再稼働した四国電力の伊方原発3号機(出力89万キロワット)が7日、営業運転に入った。四電はこれで余った電気を都市部で売る戦略だが、電力自由化でライバルは多く、余力を生かせる保証はない。
特集:伊方原発
7日午後4時、原子力規制委員会は再稼働の一連の検査を終え、「合格証」を出した。営業運転は2011年4月に定期検査で止めて以来、約5年4カ月ぶりとなる。国内で運転中の原発は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)と合わせて3基だが、ウランと使用済み核燃料から取り出したプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使うのはここだけだ。
伊方3号機が動けば、代わりに動かしてきた火力発電所の燃料代を年間で250億円減らせる。17年3月期決算では、前期の燃料代の16%分に当たる約150億円を削減する効果が見込めるという。四電は料金値上げや経費節減で2年連続で純利益が黒字だが、3年連続の黒字も視野に入る。
それでも経営陣は当面、料金の…