米食品医薬品局(FDA)が抗菌作用のあるトリクロサンなど19種類の成分を含むせっけんの販売を禁止する声明を出したことを受け、厚生労働省は国内で流通している「薬用せっけん」の実態調査に乗り出す。菅義偉官房長官は7日午後の記者会見で「日本においても同様の成分を含む商品の確認を早急に実施し、とるべき措置について検討を行っていく」と述べた。
FDAは今月2日、「通常のせっけんと水で洗うより抗菌効果があるという科学的な根拠がなく、長期的な安全性も検証されていない」などとして、トリクロサンやトリクロカルバンなどを含むせっけんの販売禁止を発表した。一部の米企業はすでにこうした成分の使用を中止しているという。
厚労省によると、国内でもトリクロサンを含む「薬用せっけん」が広く流通している。同省は今後、根拠となる研究報告などFDAの措置に関する情報を確認し、国内の対象品の種類や範囲を調査する。その結果を踏まえ、審議会で必要な措置について検討していく。(黒田壮吉)