鈴木選手のために作った鉄製バットの再現品を手にする石墳さん=荒川区
プロ野球セ・リーグで25年ぶりの優勝を決めた広島東洋カープ。東京出身の選手が快進撃を引っ張ってきた。打率3割を超す鈴木誠也外野手(22)だ。鈴木選手の打撃の礎は、荒川区の町工場が作った鉄バットで培われた。
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鈴木選手は荒川区町屋の出身。2試合連続サヨナラ本塁打を含む今季26本塁打の活躍だ。10日の巨人戦でも2打席連続本塁打を放ち、優勝を引き寄せた。
町屋は漫画「巨人の星」の舞台。「巨人の星」と同じように、鈴木選手も父・宗人さん(51)から熱心な指導を受けて育った。
小学2年で地元の少年硬式野球チーム「荒川リトルシニア」に入団。チームの事務局長を務める石墳(いしづか)成良さん(53)は「打撃が好きで、放っておいたらいつまでも打ち続けていた」と振り返る。石墳さんは区内で金属加工の町工場を切り盛りする。
小学校高学年になった頃、石墳さんは宗人さんから「鉄製のバットを作って欲しい」と頼まれた。長さ約75センチ、直径22ミリの鉄の棒にグリップエンドをつけた。バットの芯で確実に球を捉える技術を身につけるため、重い鉄のバットを使い、ゴルフボールを打つ練習に取り組んだ。
中学生になっても放課後、工場…