パラリンピックに初出場したアルバ唯一の代表選手、デ・マルヘナ・アセベ
16日の競泳男子100メートル自由形(運動機能障害)予選で、大歓声に包まれてゴールした選手がいた。デ・マルヘナ・アセベ(22)。パラリンピック初出場を果たした人口11万人に満たないカリブ海の島、オランダ領アルバの唯一の代表だ。ターンしたとき、既に先頭の選手は泳ぎ終えていた。「すごい声援に感激した。多くの国民にこのことを知ってもらいたい」。タイムは2分17秒84だった。
リオパラリンピック
リオパラ日程・記録
傍らでほほ笑んでいたシャルデア・クルスさん(27)が2012年、アルバ・パラリンピック委員会を立ち上げた。彼女によると、国内の障害者約7千人のうち、スポーツをしているのは50人ほど。多くの障害者が仕事に就けず引きこもっているという。「アルバで障害を持ったら人には言いにくい。この状況を変えたかった」
彼女は高校卒業後もソフトボールを続けるため、オランダの大学への進学を勧める母に逆らい、米国の大学に入学した。4年間で打率3割6分1厘、5本塁打を記録した。
その間に障害者スポーツ大会の…