民進党の蓮舫代表は21日の両院議員総会で、新執行部人事を示す。内定した役員には、野田佳彦幹事長が首相時代に政権中枢を担った議員がズラリ。代表選で競った前原誠司元外相は常任顧問を断った。党内に融和ムードはなく、しらけた空気さえ漂っている。
蓮舫代表、野田幹事長、大串博志政調会長の3人はいずれも野田グループに所属。大串氏は野田政権時代は首相補佐官だった。山井和則国対委員長は、野田政権の時も国対委員長を務めた。3人の代表代行のうち、2人は野田政権の閣僚。次期衆院選を担う選挙対策委員長に内定した馬淵澄夫衆院議員も、もともとは野田グループだった。
蓮舫氏は野田氏と相談しながら人選を進めている。蓮舫氏の台湾籍を巡る騒動が尾を引く中で、蓮舫氏周辺は「まずは守りを固める」と執行部人事の狙いを解説する。だが、野田氏は首相在任1年3カ月で、3回も内閣を改造しており、「人事下手」(ベテラン)を指摘する声もあがる。
代表選で激突した前原氏に対して蓮舫氏は「常任顧問」を打診。前原氏はこれを断った。顧問は党常任幹事会の出席メンバーとして党の意思決定に一定程度、関わることはできるものの、前原氏側近は「引退する人のポストで失礼だ」。蓮舫氏は代表選後、「前原氏の政策の考え方をぜひ踏襲させて下さい」と一致結束を強調しただけに、不信感が広がっている。蓮舫氏を支持した勢力でさえ、「(蓮舫氏は)相談なく決めてしまうので、共同責任は取れないという雰囲気だ」と距離を置き始めている。