記者会見場へ向かう民進党の蓮舫氏(中央)=27日午後2時58分、国会内、岩下毅撮影
民進党立て直しの期待を背負いながら、代表就任から1年もたたずに辞任を表明した蓮舫氏。党員や地方議員らに戸惑いが広がった。
民進の蓮舫代表が辞意表明 後任、前原氏や枝野氏ら軸か
党のサポーターで堺市堺区の会社役員上総秀隆さん(64)は昨年9月の代表選で、野党共闘や発信力に期待し、蓮舫氏に投票した。辞任表明に「周りがもり立てないといけないのに党内がバラバラ。安倍政権がようやく揺らいできたのに」と話す。京都市の男性党員(45)も「蓮舫さんにはもっとメディアで発信し、党のキャラを壊してほしかったが、従来とあまり変わらなかった」と嘆いた。
地方組織の幹部らも党の混迷に不安を隠さない。
大阪では、2015年の統一地方選で、民進の府議が1人、大阪市議がゼロになった。党の弱体化を肌身で感じてきた唯一の府議、中村哲之助・府連代表代行は「自民への明快な対立軸を示せなければ、誰が党首になっても一緒。次第に党が溶けて分解してしまわないか」と案じる。
滋賀県連の今江政彦幹事長は、安倍政権への追及を強める中だけに「辞任は残念で、タイミングが悪い。期待があった分、1年もたなかったのは痛い」と話す。昨夏の参院選岡山選挙区で民進は、引退した江田五月氏が守ってきた議席を失った。県連幹部は「国民の信頼回復が党の課題。その状況は蓮舫代表の就任時と変わっていない」と受け止めている。
愛媛県では、今年10月に衆院愛媛3区補選が控える。県連の渡部昭代表は、補選で顔となる新代表について「党務に精通し、外にもアピールできる人」を望むといい、「自民の緩み、たるみ、横暴をしっかり追及してほしい」と言う。