辞職願の提出について説明する阿部県議
山形県から支給される政務活動費の使い方について、実態とは違う報告をした可能性があることを明らかにしていた阿部賢一県議(64)=自民、西村山郡選出=が20日、議員辞職願を野川政文議長に提出した。近く県議会で許可される見通し。
18日に会見した時点で阿部氏は議員辞職を否定していたが、20日に改めて開いた会見では「(不適切な支出の疑いが)報道され、県民から不信を招いたことを重く受け止める」などと辞任の理由を説明した。
阿部氏によると、2014年4月に開いた県政報告会の経費について、450人分の茶菓代などとして料理屋の領収書45万円を添付して政務活動費に計上し報告した。しかし実際には酒を伴う飲食代で、人数も少ない可能性があるという。18日の会見では、14~15年度の政務活動費2年分を調査し、不適切と判断されたら県に返還する方針を明らかにしていた。
阿部氏は20日、辞職願を提出した後に議会棟で会見し「(政務活動費に関する)全国の例を見ても、報道された時点で辞職すべきだという気持ちはあったが、支援者にその気持ちを理解していただくのに時間を要した」などと釈明した。政務活動費に対する調査は「14年度以前も含めてこのまま続ける」と話した。
県選管によると、阿部氏の辞職による西村山郡の補欠選挙(被選挙数1)は、来年の知事選と同時に実施されることになるという。(米沢信義)