自民党の政治制度改革実行本部の初会合であいさつする本部長の高村正彦副総裁(中央)=20日、自民党本部、岩下毅撮影
自民党は20日、党・政治制度改革実行本部の役員会初会合を開き、「連続2期6年」の総裁任期延長をめぐる議論を始めた。安倍晋三首相は2年後に任期満了を迎える。執行部は、さっそく「3期9年」への改正を例示するなど、初回から「延長ありき」の様相だ。
「3年3期とか、誰にでも適用されるよう、一般的に制度を変える方がいいと考えている」
「行司役」となる本部長の高村正彦副総裁は、会合の冒頭、「3期9年」の私案を披露。安倍首相の任期延長としてではなく、将来の総裁すべてに適用する党則改正をめざすことを強調した。
高村氏や本部長代理を務める茂木敏充政調会長らは、年内に実行本部の議論をまとめ、来年の党大会で党則を改正する日程を描く。計16人の役員についても、党内全8派閥から選び、バランスを演出した。
この日の会合では、茂木氏が日本と同じ議院内閣制を取る主要各国の政党に党首の多選を禁止する規定がないことを説明した。出席した役員からは「制限を撤廃するのがグローバルスタンダードだ」「任期はいらない。3年ごとの総裁選のほか、衆院選、参院選もあり、十分、チェックを受けられる」などと、任期延長に賛成するばかりか、多選を制限する規定自体の撤廃まで踏み込むよう求める声も上がった。
一方、任期延長に反対する意見は出なかった。額賀派の石井準一参院議員が「人気のある首相だから任期を延ばすと見られないよう、丁寧にやってほしい」と注文した程度。「ポスト安倍」候補を抱える岸田派や石破派の議員も、この日は露骨な反対論を封印した。
岸田派の森屋宏参院議員は「安…