2011年夏に浜松市の天竜川で5人が死亡した川下り船転覆事故をめぐり、業務上過失致死罪で在宅起訴された当時の安全管理者らの初公判が21日、静岡地裁であった。船を運航していた第三セクター天竜浜名湖鉄道の当時の営業課長松野幸夫(58)、操船していた船頭大畑茂雄(66)の両被告=ともに同市=は起訴内容を認め、船頭主任だった小山正博被告(67)=同市=は否認した。
川下り船の安全対策、道半ば 天竜川転覆事故5年
この事故では、同年8月17日午後2時すぎ、乗客21人のほか大畑元船頭と男性船頭(当時66)が乗った船が岩場に乗り上げて転覆。2歳の男児を含む乗客4人と男性船頭が死亡、5人がけがをした。
冒頭陳述で検察側は、以前にも同じ場所で船が回転したことがあり、岩場に衝突する危険性を予見できたと主張。船の回転を防いだり危険を回避したりする訓練が必要だったが、松野元課長と小山元主任はそれを怠り、大畑元船頭は男性船頭に適切な指示をしなかった、と述べた。
小山元主任は法廷で「天竜川下…