横浜市神奈川区の大口病院で入院患者2人が相次いで中毒死した事件で、2人の点滴に混入されたとみられる消毒液の空のボトル3本を、神奈川県警が押収したことが捜査関係者への取材で分かった。医療器具や手指などの消毒に使われる製品で、病院のごみ箱から見つかったという。県警は、院内で使われている消毒液を、何者かが注射器で点滴に注入した疑いが強いとみて調べている。
この消毒液は「ベンザルコニウム塩化物液」で、商品名は「ヂアミトール」。メーカーによると、家庭では使われないものという。毒性が強い「逆性せっけん」の一種で、強い殺菌効果がある界面活性剤が含まれる。
濃度を調整して使う場合もあるが、専門家によると、「界面活性剤を注射すると、針を入れた周辺の血管に痛みが出る。量が多ければ、臓器が障害を受け、死に至る可能性もある」という。同種の製品では、誤飲による死亡事例も少なくないとされる。劇薬指定はされていないが、容器には使用上の注意として、経口投与や浣腸(かんちょう)に用いないよう明記されている。
捜査関係者によると、18日午…