10月7日放送のスペシャル番組の一コマ。明石家さんま(左)とゲストの古舘伊知郎
明石家さんまが司会を務める関西テレビのトーク番組「さんまのまんま」が、24日でレギュラー放送を終えた(地域によっては放送日が異なる)。31年半にわたって、のべ2千人以上のゲストを迎えた長寿番組。最終回らしくない最終回は、さんまのキャラクター通りのさっぱりとした区切りだった。
「さんまのまんま」レギュラー放送終了へ 31年の歴史
最終回のゲストは森昌子。旧知の2人は「おじちゃん」「おばちゃん」と呼び合って軽快なトークを繰り広げたが、番組の終了には最後まで触れず、普段通りに放送を終えた。
「さんまのまんま」は、1985年4月に始まった。初回のゲストは榊原郁恵。写真週刊誌のカメラマンに追われる榊原が、さんまの部屋に逃げ込んでくるという設定だった。
番組を立ち上げた小田切正明プロデューサー(70)は「予定調和じゃない行き先知れずの番組。だから30年続いたんじゃないか」と振り返る。収録はリハーサルなしの一発勝負。さんまとゲストは収録まで顔を合わさず、トークの内容についての台本もない。
小田切プロデューサーは「これはドキュメントやで」と現場のスタッフに伝えてきた。「さんちゃん(さんま)が仕掛けたことに、ゲストが返す。そのなかで見えてくる素顔を番組にするんです」
2年前から担当する南知宏プロデューサー(43)は当初、打ち合わせの短さや、収録前のさんまの過ごし方など、「びっくりすることだらけだった」と話す。収録が始まる30分前に楽屋に入ったさんまは、プロデューサーらと雑談しながら過ごす。収録3分前にスタッフが呼びに来ると、さんまは1分で衣装に着替え、スタジオまで歩きながらゲストの情報を聞く。スタジオ入りし、観覧客と一言二言交わすとすぐに収録が始まる。
どんなゲストでも、会話を笑いに変える話術を目の当たりにした。「相づちを打つ間も次の展開を考えている。瞬時に次の質問が出るし、間が絶対にあかないのがすごい」と語る。
今後は年2回のスペシャル番組…