吉田羊さん=慎芝賢撮影
10月11日に「レディ・ダ・ヴィンチの診断」(フジテレビ系)、同22日に「コールドケース~真実の扉~」(WOWOW)と、主演する連続ドラマが相次いで始まる吉田羊さん。俳優を志したきっかけや、演技への思いを聞きました。
――「コールドケース」は、連続ドラマの主演として臨んだ初めての撮影でした。
ゲストでも主演でも、俳優の一人として扱って下さるので、スタンスとしては変わらないですね。ただ、作品の顔になるので、責任感みたいなものは感じます。絶対に失敗したくないぞ、と。
――名前も記号的で、年齢も非公開。俳優としての戦略なんでしょうか?
年齢非公表以外は全然戦略じゃないです。いま、どんなに隠しても年齢でさえ出る時は出ますから。
でも、プロフィルとかって、役を演じる上では関係ないじゃないですか。人格がにじみ出るものだと思うので。私は役を見ていると、出身地や出身校よりも、家族構成や友達、何を大事にしているのか、どういう感性で何を美しいと思うのかという方が、興味があります。
――吉田さんが大事にしているものは。
言葉を大事にしたい。人って暴力で傷つくこともあれば、言葉で救われることもある。だったら、人を励まし、救っていく言葉を使っていきたい。
――なぜ俳優の道に。
私の場合は消去法ですね。自分は会社勤めに向かないと思った。満員電車が嫌いだし、協調性がないんですよ。嫌いな人に頭下げられない。
劇団でも人間関係はありますけど、好きなことだからできる。芝居につながるかもしれないとどっかで思っているわけです。でも、好きじゃない会社の中で、尊敬できない人に頭を下げたくない。
じゃあ何やりたいかって考えて、小さい頃からなんとなく興味があったお芝居をやってみようかな、というくらいです。小さい頃から学芸会なんかでやると、先生に褒められたりして、うまかったんですよ。テレビを見て口まねするのとか、泣く芝居とかが好きでした。
なにより、おままごとが大好きで、中1までやめられなくて。同級生が次々脱落していくわけです。お母さん役がいない、子ども役がいない、犬役がいないってなるわけですよ。自分だけはやめられなくて、このまま一生やめられなかったらどうしようって、心配するくらい好きでした。
高校、大学でお芝居をやっていたわけではなくて、大学卒業後、いきなりフリーの女優になって、自分で劇団を立ち上げてやっていた時期もあるんです。
結果、一生おままごとやってるんですけど(笑)。いま思えば、自分じゃない何者かになるのが好きだったんですよ。
――よく聞かれると思いますが…