大隅さん会見「ノーベル賞には格別の重さ感じる」——贯通日本资讯频道
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大隅さん会見「ノーベル賞には格別の重さ感じる」

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ノーベル医学生理学賞の受賞が決まり、会見に臨む東工大栄誉教授の大隅良典さん(右)=3日午後8時5分、東京都目黒区、杉本康弘撮影


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ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんは、3日午後8時過ぎから東京都目黒区の同大で記者会見を開いた。記者会見の冒頭、大隅さんは「本日夕刻に受賞のお知らせをいただいた。研究者としてこのうえなく栄誉なこと。ノーベル賞には格別の重さを感じている」と喜びを語った。


ノーベル医学生理学賞に大隅良典・東京工業大栄誉教授


ノーベル受賞業績の「オートファジー」、どんな仕組み?


特集:大隅良典・東京工業大栄誉教授


続けて「私は人がやらないことをやろうという興味から、酵母の液胞の研究を始めた。酵母が飢餓に陥ると自分自身のたんぱく質の分解を始める。光学顕微鏡でとらえることができたというのが私の研究の出発点。オートファジーは、私が研究を始めたときに必ずがんにつながるとか、寿命の問題につながると確信していたわけではない。基礎的な研究はそういう風に展開していくものだと理解してもらいたい」と語った。


記者会見での主なやりとりは次の通り。


――人がやらないことをやるという考え方のきっかけは何ですか。


みんながよってたかってやるのもサイエンスのひとつだけれど、誰もやっていないことを見つけた方が、楽しい。液胞というみんながごみだめだと思っていたことからスタートし、たんぱく分解というまだみなさんが興味がなかったところから始められた。


――基礎研究の大切さをどう考えていますか。


すべての人が成功するわけではないけれど、それがサイエンスのあり方。基礎研究を見守ってくれる社会になってくれたらうれしい。


――ノーベル賞はどう格別なのですか。


インパクトがある賞だと自覚している。私のような基礎的な研究者も運がよければそういう機会に恵まれると、若い人に知ってもらえたらうれしい。


――オートファジーが賞につながると確信していたわけではないというのは、どういう意味ですか。


科学というのはゴールはない。次から次に疑問がわいていくる。酵母にたくさんのことを問いかけて、オートファジーの理解につながってくれたらいいなと思っていた。


――今後どんな研究に取り組みたいですか。


酵母の研究がまだ先導できることがあるんじゃないかと思っている。もう少し定量的に、実際、本当に何がオートファジーで壊れて、代謝みたいなものにどう影響するのか、集中して解決してみたい。


――オートファジーを知らない人に説明してもらえませんか。


私たちは毎日、70~80グラムのたんぱく質を食べているが、たんぱく質を分解してアミノ酸という原料にしている。私たちの体内では300グラムくらいのたんぱく質が作られている。どこから来るかというと、私たちの体内ではたんぱく質が壊れてアミノ酸になって再利用されているよということ。


例えば、海で遭難した。1週間、水だけで生きた。たんぱく質合成を止めているわけではない。たんぱく質を分解しながら再利用するシステムなんだ。たんぱく質を食べて、再利用している。作っては壊し、作っては壊しを繰り返して、生物はある。


――大隅先生と言えば、立派なひげが印象的でトレードマーク。ひげへのこだわりはありますか。


外国に留学したときに若造に見られたくないということでひげを生やした。


――子どもたちにメッセージをお願いします。


今、なかなか自分の興味を伸ばすことが難しい時代になっている。「あれっ」と思うことが世の中にはたくさんある。そういうことの続きを大事にしてほしい。わかっているような気分になっているが、何もわかっていないことが世の中にはたくさんある。「えっ。何で」ということを大事にする人たち、子どもたちが増えてほしい。


――奥様やご家族への感謝の言葉を改めて教えてください。


妻も実は、私と一緒に研究していた仲間だった。色々なことを甘えてきた。そういう意味では(私は)いい家庭人ではなかったかもしれないが、それにもかかわらず支えてくれたことに感謝というか、ありがたいことだと思っている。


――奥様に報告した際はどんな言葉をかけられましたか。


「ええっ」ていうのが本当のところ。「本当」という言葉しかなかった。


――ノーベル賞は子どもの頃の憧れだったということでしたが。


子どもが研究者になりたいと思ったときの、ひとつの憧れとしてあったということ。小さい時から研究者に憧れていて、その一番先にノーベル賞があったということ。ただ、実際に研究をスタートさせてからは、これがノーベル賞につながるとは思ったことはほとんどなかった。それが私の励みになって、ということもなかったと思う。


――研究者の原点、故郷にはどんな思いがありますか。


福岡高校は、毎年20~30人くらい集まっているみたいで、毎年申し訳ないなと思っていた。肩の荷がおりた。


――オートファジー研究の発展。若手の研究者にメッセージをお願いします。


オートファジーが色々ながん細胞にかかわっているとか、アルツハイマーなどの疾病とからんでいるのではないかと報告されています。でも、オートファジーが原因でこんな病気になったという因果関係がわかったというのは、まだないと思う。分解がどんな局面で何をしているかは、これからの医療、健康維持を含めて、まだたくさんの課題があるのではないか。


――くじけそうな若い人に、どんな声をかけますか。


自分が何に興味があるのかということをよく考えてみてほしい。論文の中のひとつの遺伝子に注目しているだけでは大きな問題は解けない。私は自分で現象を見つけたところからスタートしていて、いつもそこへ帰る。いったい何が起こっているのだろうと、帰れる現象を持っていたことがどんなことがあっても続けられたモチベーションじゃないかと思う。


――これからやりたいことはありますか。


豪邸に住みたいとも思わないし、外車に乗りたいわけでもない。できるだけ役に立つことができればいいなと思っている。今は研究費も多額の費用を要するようになっていて、若い人たちをサポートするシステムができないか。社会的意義があるとすれば、そういうことがやりやすくなって、私が生きている間に一歩が踏み出せればいいなと思う。



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