高柳大香取神社に出現したニオウシメジとみられる巨大キノコ=埼玉県久喜市高柳
埼玉県久喜市高柳の高柳大香取神社の境内にニオウシメジと見られる巨大キノコ群が出現した。数十個の株のうち、大きいものは直径1・2メートル。昨秋突然発生し、県立自然の博物館が標本採取したニオウシメジと形、色が同じという。2年連続の巨大キノコに住民たちは驚き、「もしかしたら来年も」と見守っている。
ニオウシメジは群馬県を北限とする南方系キノコで、県内での報告例は数例という。食用にもできるとされる。高柳地区の前区長、菊地繁芳さん(73)はこのキノコが9月上旬に生えて以来、朝夕に散水したり、夜は保温のための覆いをかけたりしてきた。「1年限りと聞いていたので、2年連続は驚き」と話す。
境内の樹木を伐採して埋め、木の破片で覆う整備を数年前にしたことで、生育条件が整ったらしい。昨年は5株がくっついた形で発生し、全体で幅2・8メートル、高さ1メートル近くまで育った。遠くは鹿児島県など県内外の約1千人が見学に訪れた。
菊地さんらは今年、神社周辺の道路6カ所に案内板を設け、見学者を迎えている。白い煙をはくように胞子が飛ぶのも観察されたことから、巨大キノコの季節も終わりに近づいているという。(高橋町彰)