三菱自動車は、サッカーJ1浦和レッドダイヤモンズを運営する子会社の株式の一部を売却する方針を固めた。三菱重工業への売却を軸に最終調整している。
三菱自は月内にも日産自動車の出資を受けて傘下に入る予定だが、日産はJ1横浜F・マリノスの株式の約75%を持つ筆頭株主でもある。Jリーグは複数のクラブを子会社や関連会社にして支配権を握ることを規約で禁じているため、三菱自がレッズの運営会社への関与を弱め、関連会社から外すことにした。
三菱自はレッズの運営会社の株式を約51%持つが、三菱重工を中心に三菱グループの企業に保有株を売却し、出資比率を20%未満まで引き下げる方針。三菱グループが引き続き主要株主として残ることで、チーム名は変えず、クラブの運営体制も原則として引き継ぐ。地元企業などにも一部の株を売る可能性があり、月内にも新しい株主構成を決める。売却額は数億円となる見通し。
日産は5月、燃費偽装問題に揺れる三菱自と資本業務提携することで合意。月内にも三菱自の株式34%分を出資して筆頭株主となる。日産の影響力が間接的にレッズに及ぶことで、規約に抵触するおそれがあった。
浦和レッズは1950年に発足した中日本重工業(現三菱重工業)サッカー部が前身。チーム名のレッドダイヤモンズも「スリーダイヤ」の三菱マークにちなむ。