亜麻の茎をローラーで潰してから繊維を取り出す作業をする人たち=北海道豊浦町大岸
軍需のため、かつて北海道で盛んに栽培された亜麻(あま)。約半世紀前に姿を消したが、近年復活の兆しを見せている。15年前に当別町を中心に栽培が再開され、亜麻仁油を絞って商品化されている。豊浦町ではこの夏、リネンを織り、ワンピースに仕上げる「リネンプロジェクト」が始まった。
豊浦町で8月、亜麻の繊維講座が開かれ、同町や近隣の女性5人が参加した。伊達市の亜麻クラフト作家三上美祈(みおり)さん(46)が講師となり、亜麻の歴史や栽培などを解説。茎をローラーでしごいて繊維を取り出す作業に挑んだ。2回目は糸車で糸を紡ぎ、3回目には糸車のストラップを作った。
1束30グラムほどの亜麻の茎から取り出せる繊維は3~5グラム。すべて手作業で、延べ10時間以上かかった。地道な作業を笑顔でこなした参加者は「楽しかった」と語った。
三上さんは10年前から亜麻を栽培、紡いだ糸で編み物のコースターなどの小物雑貨を作っている。「繊細ながら芯がある。花はかわいく、実には栄養があり、茎からは繊維が取れて捨てるところがない。手作りすれば機械で作った輸入物にはない味がでる。地元の歴史にもつながる」
講座を企画したのは、町の地域…