相模湾から千葉県沖に延びる相模トラフ沿いで将来起きるとされる大地震について、政府の地震調査研究推進本部は12日、高層ビルに大きな揺れをもたらす長周期地震動の予測を公表した。調査対象は関東1都6県。都県庁付近で揺れ幅が大きいのは神奈川の96センチ、次いで東京の89センチだった。
長周期地震動は大地震で発生しやすいゆっくりとした揺れで、東日本大震災や熊本地震で観測された。揺れ幅50センチ以上で家具が倒れることがあり、100センチ以上で立っていられなくなるという。短い周期の揺れよりも弱まりにくく、遠くに揺れが及ぶこともある。
予測はマグニチュード(M)8クラスの関東大震災や1703年の元禄関東地震を念頭に、複数パターンで揺れ幅を算出。高さ100メートル程度のビルが揺れやすい周期2~3秒の揺れ幅を都県庁付近ごとにみると、神奈川と東京以外では千葉85センチ、埼玉72センチ、群馬53センチ、茨城38センチ、栃木36センチだった。今回は1都6県全体を250メートル四方ごとに予測しており、中には253センチ(神奈川県小田原市)の揺れ幅がある場所もあった。