江戸時代のラクダブームの様子が描かれた「絵本駱駝具誌」=名古屋市博物館蔵
かつて名古屋・大須の町をにぎわせたというラクダの行列が15日、190年ぶりに復活する。「新しく、面白いことをやろう」と大須商店街の店主たちが仕掛けた。
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ラクダ行列が披露されるのは、商店街の秋の風物詩「大須大道町人祭」。午前11時50分から約1時間、2頭のラクダが唐風の手作り衣装を着た16人と一緒に商店街を練り歩く。
行列の再現を発案したのは、洋服店の店主で祭りの実行委員長を務める小寺信男さん(80)だ。大須の興行文化に詳しい、名古屋市博物館学芸員の武藤真さん(44)から、江戸時代に「ラクダブーム」があったことを聞いたのがきっかけだ。
市博物館に収蔵されている江戸時代後期の資料「絵本駱駝(らくだ)具誌」。作者である徳川家に仕えた武士は、当時の様子をこう書き残している。
「見物夥(おびただ)しく、日毎(ひごと)の賑合(にぎわい)いふばかりなし」
文政4(1821)年、アラビ…