「3月のライオン」の神木隆之介 (C)2017映画「3月のライオン」製作委員会
ケレン味ある娯楽映画を撮らせたら、今、この人の右に出る者はいない。大友啓史(けいし)監督、50歳。NHK時代にはテレビの画格を超えるスケールのドラマを演出。独立後は、時代劇映画のニューウェーブ「るろうに剣心」シリーズを大ヒットに導いた。今年、彼が挑むのは「3月のライオン」。マンガ実写化の名手が一体どんな映像を繰り出すのか。
「3月のライオン」は、将棋をモチーフにした羽海野チカの人気マンガが原作だ。主人公は17歳の棋士、桐山零。幼い頃に両親を失い、一人暮らししている。孤独な零が、近所に住む3姉妹を始め、様々な人々と関わる中で、棋士として人間として成長していく。
「皆さん、大友で大丈夫かと言うんです。特に原作ファンの方は不安に思われるかもしれません。『ミュージアム』なんかを見た後ではね」と本人は笑う。
最近作「ミュージアム」は、猟奇殺人の衝撃的な映像が満載のサスペンスホラー。大友監督と言えば、これまでもNHKのディレクターとして「ハゲタカ」や「龍馬伝」、映画監督としては、「るろ剣」のほか、未来の警察捜査を描いたSF「秘密 THE TOP SECRET」など、ハードな作品で知られる。鋭利な撮影と編集で高い評価を得てきた。
「3月のライオン」は彼のイメ…