多くの参列者がひつぎを乗せた車を見送った=25日午後3時21分、福岡市南区、伊藤繭莉撮影
福岡市南区のアパートで保育士の肱岡(ひじおか)綾音さん(28)が刺されて死亡した事件で、肱岡さんの葬儀が25日、市内で営まれ、親族や友人が最後の別れを惜しんだ。
葬儀には保育園の同僚や友人、肱岡さんの婚約者らが参列し、弔辞を読み上げた。参列者によると、婚約者は遺影に向かって「結婚してください」と声をかけ、多くの人が涙を流していたという。
幼い頃を知る男性(54)は「まだ現実味がない。太陽みたいな子だった」。別の男性は「友達や親族らの弔辞を聞いて、これほどみんなから愛され信頼されている子だったんだというのを改めて知った」と話した。友人の女性は「ありがとう」と伝えたといい、「明るい人だった。悔しい」と涙を浮かべた。
福岡県警によると、肱岡さんは15日夜に自宅アパートの玄関先でうずくまっているのが見つかり、22日夜に死亡した。県警は、21日に出頭してきた住所不定、職業不詳の冨士田清治容疑者(47)を逮捕し、殺人などの容疑で調べている。2人に接点はないという。(伊藤繭莉、宮谷由枝)