白鵬は琴奨菊を下し勝ち名乗りを受ける=恵原弘太郎撮影
(20日、大相撲初場所13日目)
どすこいタイムズ
稀勢の里が戦わずして星を伸ばし、同じ2敗の平幕2力士が敗れた。自らも星を落とせば、一気に稀勢の里へ風が吹く。白鵬が切迫した場面で底力を見せた。
相手は前日負け越したとは言え、一発のある大関。踏み込んで両差しを狙う。巻き替えられて相手十分の左四つになったが、捕まえてしまえば格は違う。起こしておいて、タイミングの良い投げを決めた。
支度部屋の横綱は「ちょっと硬さがあった。後がないというね」と話した。中日に金星を許し、9日目に連敗した時はリズムが狂って見えた。しかし、ここに来て体は動いている。緊張感が逆にアドレナリンを増しているかのように、だ。
37度の栄冠の中で、13日目を終えてリードを許して逆転した例は1度だけある。22度目の優勝を飾った2012年春場所。今場所と同じ11勝2敗から2連勝。1敗だった当時関脇の鶴竜が千秋楽で豪栄道に敗れ、決定戦で制した。
「一騎打ちになった」との問いに「後2日、ついていくだけですよ」とかわした白鵬。だが、「その2日で3番取るつもりか」と聞かれると、「そんな気持ちで行きたいね」と言った。
元横綱北勝海の八角理事長は「星数では稀勢の里有利。だが、優勝経験の差で並んでいる気がする。37対0・5」。過去、何度も優勝に近づいた大関にもわずかなポイントをつけた。
千秋楽結びが両者の決戦。その前に、14日目はともに平幕を迎え撃つ。(竹園隆浩)
●琴奨菊 前日に大関転落決定…