チョコレート染めの着物や帯を披露する冨田伸明さん=9月、京都市上京区、森泉萌香撮影
チョコレートで染められ甘い香りが漂う着物や帯を、京都市の着物デザイナーが制作した。試行錯誤を重ね、4年がかりで完成させた。日伊国交樹立から150年を迎えたことを記念し、今月上旬に「チョコの都」とも呼ばれるイタリア・トリノで開かれた着付けショーで披露された。
作ったのは、国内外で活躍する着物デザイナー、冨田伸明さん(53)=京都市上京区。チョコの原料となるカカオパウダーを使い、友禅染の技法で染め上げた。近づくと、ほのかに甘い香りが漂う。
「チョコ染め」に初めて挑戦したのは2012年。京都市に高級チョコの店がオープンするのに合わせて企画した。この時はチョコを溶かして染めようとしたが、色も香りもうまくなじまなかった。
昨秋、日伊国交樹立150周年事業への協力を求められ、再挑戦した。打ち合わせでチョコ染めの着物のアイデアを披露すると、トリノ市などが全面支援を表明。同市からカカオパウダー約3キロが贈られた。
それから10カ月は、試行錯誤…