東京都の豊洲市場(江東区)で主な施設下に盛り土がなかった問題で、施設の基本設計を受注した設計会社・日建設計が受注前の段階で「盛り土工事の省略」について都の担当幹部らに説明していたことが13日、分かった。都の土壌汚染対策と矛盾しかねない内容だが、問題視されていなかった。
築地市場の豊洲移転問題
都が同日公表した「プロポーザル技術審査委員会」の議事録から明らかになった。審査委は、設計の受注を望む業者から提案された工法などを検討。外部有識者2人と都の担当部局幹部7人が委員を務めた。
議事録によると、2011年2月4日、日建設計と別の1社から委員が聞き取りをした。日建設計の担当者が「盛り土工事の省略によるコスト削減と工期短縮」として、「基礎の形に合わせ、必要な箇所にだけ盛り土をする」と説明。都の委員が工期短縮の見込みを尋ねると、同社は「1~2カ月短縮できる」と答えた。盛り土をしないことを疑問視する意見は出なかった。別の1社は、盛り土について触れていなかった。
基本設計は11年3月に日建設…