赤白チェックのランチョンマット、カントリー風バスケット、テーブルを飾る風船……最近、多くの人のSNSにどこかで見たようなピクニックの写真が登場している。北京なら、オリンピック森林公園、朝陽公園や一部の郊外の公園などで、2人か3人の若い人が連れ立って地面に座り、ピクニックをしている様子をよく見かける。ここ1ヶ月ほどの間に、全国各地で「ピクニックブーム」が起こり、若い人々の間で特別感に満ちたレジャースタイルの1つになっている。「北京日報」が伝えた。
北京市民の胡蕊さんは、「ずっと家の中に閉じこもっていて、やっと外に出て風に当たれた。でも感染症の流行中なので完全に気を抜くわけにはいかない。ピクニックなら安全かつ健康的で、お金もかからない。感染症の後で若者の生活費もどんどん切り詰められている。海外旅行や高級レストランでの食事に比べて、外でのピクニックは最もコストがかからない『ネットで人気の暮らし』だといえる」と述べた。
面白いのは、ピクニックそのものよりも、若い人々の間では写真を撮ったり、写真を加工したりすることで人とのつながりを楽しむことの方が重視されていることだ。ホワイトカラーの小■(日へんに易)さんは、「これまで(若者向けライフスタイル共有プラットフォームの)小紅書に投稿しても、数十件くらいしか『いいね』が獲得できなかったが、ピクニックのノウハウに関する投稿だと、一気に2千件以上の『いいね』が獲得できる上、『保存』してくれる人も500人以上いて、達成感がハンパない」と話した。データによると、過去1ヶ月間に、小紅書のピクニックに関する投稿件数は前年同期比13.6倍増加し、中でも動画エッセイは3.4倍増えた。上海、北京、広州、深セン、杭州が投稿件数上位5都市だ。
この新興消費について中身よりも形をより重視するものだと考え、「(人気飲料水の)王老吉を飲むにしても、飲み物の容れ物はシャンパングラスしか使わない。新聞や雑誌を購読する場合、過去のものでもいいから必ず英字新聞に決まっている。そうじゃなければみんなで定年退職した年寄りみたいに集まって公園をブラブラするようなものになる」などと「ツッコむ」消費者もいる。胡さんは、「ピクニックブームの中で、大勢の若者の消費は見かけだけで中身がない。SNSに投稿するためだけに凝った写真を撮ってもそれほど面白くないし、自然に親しむというレジャーの本質的な楽しみからは遠ざかっている」との見方を示した。