修復した第2次世界大戦中の戦闘機「飛燕」=13日午後、神戸市中央区、水野義則撮影
川崎重工業は13日、太平洋戦争時に開発した戦闘機「飛燕(ひえん)」を修復し、神戸市で公開した。オートバイや航空機などいまの製品につながる技術のルーツがあるとして、創立120周年を記念して取り組んだ。15日から11月3日まで神戸ポートターミナル(神戸市中央区)で公開する(18、19日は休み)。午前10時~午後5時で入場無料。
飛燕は長さ約9メートル、幅約12メートル、高さ約3・5メートル、重さ約3・8トン。川重の前身の一つの川崎航空機工業が開発し、1941年に初飛行した。太平洋戦争中に約3千機が製造された。最高時速610キロ前後と、当時としては速かったのが特徴だ。
修復した機体は戦後、米軍に接収されて残った唯一のものだという。86年から鹿児島県の知覧特攻平和会館で展示されていた。川重は機体を保有する日本航空協会の監修のもと、岐阜工場(岐阜県各務原市)に運び、昨年から修復を始めた。戦時中と同じく岐阜工場が機体部分を、明石工場(兵庫県明石市)がエンジン部分を担当した。約30人が仕事後や休日にボランティアで作業した。
終戦後の混乱で設計図などは焼…