青森市の鹿内博市長(68)は14日、記者会見し、青森駅前の商業施設「アウガ」を運営する第三セクター「青森駅前再開発ビル」が約24億円の債務超過に陥った責任を取って辞任する意向を表明した。17日に市議会議長に辞表を出す。
アウガは佐々木誠造前市長時代の2001年にオープンし、公共施設や商業施設を中心市街地に集める「コンパクトシティー構想」を掲げたが、当初から低迷が続き、運営会社の三セクは15年度決算で約24億円の債務超過となった。
アウガ救済のため、市が積み立てた修繕積立金を運転資金などに流用する条例が9月に成立。市は来年2月末までにテナントを全店退去させ、完全公共化を目指す方針だ。鹿内氏は辞職理由について「アウガの公共化が前進し、一定の区切りがついた」と述べた。
鹿内氏は青森県議を経て、09年に6選をめざした自民、公明が支持する佐々木氏らを破って初当選。任期は来年4月23日までだが、議会の市長派は少数で、市政が停滞する場面も目立っていた。