麻生太郎財務相は4日午後、森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざん問題で記者会見し、「行政文書を改ざんし、それを国会等に提出するようなことは、あってはならないことであり、誠に遺憾であります。深くおわびを申し上げます」と謝罪した。一方で「私自身の進退については考えておりません」として、辞任する考えがないことを改めて強調した。
改ざん、首相「責任痛感」 立ち去ろうとして戻って一言
財務省文書改ざん タイムライン
佐川氏、停職3カ月相当 麻生氏は閣僚給与1年分返納
改ざん、何を隠したかった 異例の国有地取引の背後には
財務省は同日、調査報告書と職員に対する処分を公表。麻生氏自身も「財務省、ひいては行政全体の信頼を損なった」として、閣僚給与1年分を自主返納するとした。野党などから自身の監督責任を問う声が強まっているが、「文書管理の徹底など必要な取り組みを全力で進めていくことにより、大臣としての職責を全うしたい」と、続投する意向を示した。
改ざんの動機を問われた麻生氏は「それがわかりゃ苦労せんのです。どうしてスタートしたのか」と発言。事態がなぜ起きたか、省内調査では全容を把握できていないことを認めた。「佐川(宣寿〈のぶひさ〉・前理財局長)自身が局長として改ざんしろと、書き直せと言った形跡がありません」「場の雰囲気、空気ってやつ」とも語った。
麻生氏は改ざんの行為を「ゆゆしきこと」としつつも、「答弁を訂正すればいいだけの話なのが、なんとなくそういうことではなくて後から直したというところに問題がある」とも語った。
問題の発覚後、近畿財務局で国有地売買交渉の担当部署に所属していた男性職員が自殺したことについて麻生氏は「関与したことに非常に責任を感じて、と言う形で自ら身を絶たれた方がおられた。甚だ痛ましい」と述べた。「なんとなく軽いつもりで罪の意識もなくやったのか、いやこれやばいんじゃないかなと思ってやったのか、人によって違う」とも話した。