16日夜に開かれた復興イベントでは、子どもたちが復興への願いを書いた紙コップの中にろうそくがともされ、「キズナ未来へ」のメッセージが形作られた=熊本県益城町安永、平井良和撮影
震度7に2度見舞われ、災害関連死を含めて23人が犠牲になった熊本県益城(ましき)町でも16日、各地で追悼行事が行われた。
特集:熊本地震6カ月 復興どこまで
同町安永の特別養護老人ホーム「ひろやす荘」では、暗くなってから向かいにある解体中の建物に光をあてて被災状況を振り返った後、犠牲者の鎮魂と復興を願い、2300本のろうそくに火をともした。
ろうそくを入れる紙コップには、町内5小学校の全児童が「復興への思い」を書いた。人々が手をつなぐ絵などとともに、「はやくじしんがなくなりますように」「いえがたってほしい」「みんなが心からわらえるように」との願いや、「がんばってこらえようとすると体のぐあいもわるくなるので、むりをせず」と同じ被災者を気づかう言葉、「つらい時なんかは、えがおでふきとばしちゃえ!」との決意などが記された。
主催した社会福祉法人「慈光会」の担当者は「20年、30年先の未来をつくるのは子どもたち。その思いを町のみんなに知ってほしかった」。ろうそくの一部で「キズナ未来へ」の文字を形作り、全国からの支援の絆に支えられている感謝も表現した。
500世帯以上が入居する県内最大の「テクノ仮設団地」(同町小谷)では、住民主催の追悼の集いがあり、約50人が手作りのキャンドルに火をともし黙禱(もくとう)。吉村静代さん(66)が「大変な思いをしてここまで来た。これまでを振り返りながら、皆さんの顔が見えるような団地になれば」とあいさつ。その後は住民同士の交流を深めるため、バーベキューをした。(平井良和、大森浩志郎)