道路整備の1期工事区間で、伐採のため枝を切り落とされたイチョウ並木=9日、東京都千代田区、吉浜織恵撮影
東京都千代田区で、区道整備のために区が街路樹を伐採する計画を進めていたところ、反対意見が相次いだため、17日、計画が見直されることになった。区は2020年東京五輪・パラリンピックまでに区道を整備するとしていた。
問題となっていたのは、区道「神田警察通り」(全長約1・4キロ)のうち1期工事の約220メートル。4車線を3車線に減らし、歩道を広げて自転車走行のスペースを新設する計画で、沿道のイチョウ32本とプラタナス5本が伐採される予定だった。
7月下旬に枝が切り落とされた際、大学の非常勤講師が「たった2週間の五輪のために伐採するのはおかしい」などと訴え、区は工事を一時中断。その後、街路樹の保存を求める陳情が区議会に相次ぎ、インターネット上の署名活動でも4万人近くが保存に賛同した。
区議会企画総務委員会は17日、陳情の趣旨をくみ、街路樹を保存するために整備内容を見直すことなどを区に要望した。区道路公園課は取材に対し、「安全上切らざるを得ない樹木もあるかもしれないが、今のイチョウをなるべく残すようにし、年内をめどに見直したい」と話している。(吉浜織恵)