中国の有人宇宙船「神舟11号」が19日未明、9月に打ち上げた実験室「天宮2号」とのドッキングに成功した。宇宙飛行士2人が天宮2号に乗り移り、30日間の実験に取り組む。中国としては最長となる今回の有人宇宙飛行を通して、宇宙ステーションの建設に必要な技術の蓄積を狙う。
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神舟11号は17日早朝、中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。軌道の修正を繰り返しながら、2日間かけて高度400キロ弱の軌道を周回する天宮2号に接近。過去のドッキングでは宇宙飛行士が手動で操作したが、今回はお互いの距離を測る感知装置を大幅に改良して「自動ドッキング」した。
中国は複数のモジュールが合体する宇宙ステーションを2022年に完成させる計画で、ドッキング技術の確立が重要課題となっている。来年には、天宮2号に物資を届ける無人補給船「天舟1号」をドッキングさせる計画だ。
中国のこれまでの有人宇宙飛行の最長記録は13年に打ち上げられた「神舟10号」の15日間。今回は天宮2号までの往復を含めると33日間を予定している。(香港=益満雄一郎)