安全ベストを着た参加者が用意された3千席を埋め尽くした=北九州市小倉北区
指定暴力団工藤会による凶悪事件で「怖い街」と思われがちな北九州市が21日、イメージを払拭(ふっしょく)しようと、「安全」をキーワードにしたギネス世界記録に挑戦した。安全ベスト着用人数を競うもので、昨年11月に英国のノーサンプトン市が樹立した1543人の世界記録を上回る2136人で世界記録を達成した。
市によると、人口比で見た犯罪件数は「政令指定都市で中位」。市内の犯罪発生件数はピーク時の2002年の4万389件から昨年は9682件まで減少。減少率は76%で同期間の全国平均より15ポイント高い。県警が工藤会幹部を次々に逮捕する「頂上作戦」を2年前から始めたことも一因とみられる。
こうした面をPRしようと、「安全」をキーワードにしたギネス記録に挑んだという。この日は市の呼びかけに応じた大学生や会社員らが会場の西日本総合展示場(小倉北区)に駆けつけ、用意された3千席に安全ベストを着て着席。ギネスの公式認定員らがベストをきちんと着ていない失格者を除いた人数を数え世界記録を認定した。
市の担当者は「北九州が安全な街だと、この機会に知ってもらえたら」と話した。(井石栄司)