ナシ農家の平尾一己さん(奥)の畑では、袋がけをしてあった晩生(おくて)ナシの「愛宕」が数多く地面に落ちていた=22日午後1時36分、鳥取県湯梨浜町、横山翼撮影
鳥取県中部を襲った最大震度6弱の地震の後も、震度1以上の揺れを観測した地震は22日夜までに160回を超えた。公共施設などに避難している人(22日夕時点)は1300人以上で、深夜にかけてさらに増える可能性がある。観光や農業でも深刻な被害が明らかになってきた。
県災害対策本部によると、22日時点での負傷者数は16人。震度6弱だった倉吉市で、倒れた墓石で腰などを打った90代の女性が22日に重傷と診断され、重傷者は2人になった。体調不良を訴える人もおり、湯梨浜(ゆりはま)町の避難所では22日朝、30代女性が救急搬送された。倉吉市役所でもブルーシートの配布場所でめまいを訴えた男性(62)が搬送された。
住宅の被害は全壊3棟、半壊2棟に加え、屋根の瓦が落ちたり壁が崩れたりする一部破損が229棟に上った。最大約1万6千世帯が断水した倉吉市では水道が順次復旧したが、22日午後4時現在でも約1千戸で続いている。県内の水道事業者や自衛隊、松江市などの給水車計17台が活動にあたっている。
気象庁は、1週間程度は最大震度6弱の強い揺れが起こる可能性があるとして警戒を呼びかけている。鳥取地方気象台によると、県中西部は23日は昼過ぎから夕方にかけて雨が降り、風が強まるとみられている。
気象庁によると、震度6弱以降、震度4を6回、震度3を20回、震度2を44回、震度1を95回観測した。
政府の地震調査委員会で委員長を務める平田直・東京大教授は22日、臨時の委員会後の会見で、震度6弱の地震は、活断層の存在が知られていない場所の地下の浅い部分で、長さ約10キロの断層が動いて起きたとの見方を示した。委員会では、湯梨浜町の観測点では北側に7センチ動く地殻変動があったと報告された。