10月、ソウルの大検察庁別館で行われた結婚式。以前は壁一面に飾られた花輪の数が激減した。接待制限法は10万ウォンを超える慶弔費も違反の対象になる=東亜日報提供
ソウル近郊の京畿道水原市(キョンギドスウォンシ)の水原地方検察庁で17日、1杯2千ウォン(約180円)のコーヒーが問題を引き起こした。9月末に施行された接待制限法に違反する恐れがあったからだ。水原地検では21日、問題を処理する会議も開かれた。
2800円超す食事接待禁止 韓国で新法、飲食店に打撃
同地検によれば、コーヒー2杯が、同庁刑事部の捜査官の机の上に置かれていた。捜査官が担当する事件の女性被害者が置いたことがわかった。捜査官はコーヒーをすぐに廃棄し、請託防止担当官に報告した。
9月末に施行された新法「不正請託及び金品授受の禁止関係法」は、公務員や記者らに対して3万ウォン(約2800円)を超える食事接待や5万ウォンを超える贈り物などを禁じる。100万ウォン以下の金品を贈った場合、贈った側も贈られた側も過怠料が科せられる。100万ウォンを超えた場合は、職務と関係なく刑事罰の対象になる。
同地検は21日、果たしてこのコーヒーが「金品」なのか、単なる感謝の気持ちを表した社会慣行の一つとみてもよいのか、会議を開いて議論したが、結論を持ち越した。
一方、江原道(カンウォンド)、春川(チュンチョン)地方裁判所は18日、同法違反を巡る告発を受理したと発表した。同法違反の事件を裁判所が受理したのは初めて。同地裁によれば、春川警察署が捜査中の事件を巡り、事件関係者が同署に4万5千ウォン相当の餅を贈ったことが同法違反に問われたという。今後、公判手続きを略式にするかどうか決めるという。(ソウル=牧野愛博)