欧州連合(EU)の首脳会議は21日、ブリュッセルで自由貿易を推進する総括文書を採択し、閉幕した。ただ、今週の締結を予定していたカナダとの自由貿易協定(FTA)への署名は、ベルギーの地方政府が最後まで反対し、締結延期の可能性が濃厚になった。
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首脳会議の総括文書では、「EUは成長と雇用創出に向けた自由市場の利益に報いる強健な貿易政策を約束する」と、今後も自由貿易を推し進める重要性を強調した。
首脳会議で焦点だったのは、2014年に交渉が終わり、27日に正式調印を目指していたカナダとの「包括的経済・貿易協定(CETA)」だ。EU加盟28カ国のうち27カ国が承認したが、先々週、ベルギーのワロン地域が投資家を保護する紛争解決手続きに問題があるとし、反対を決定。EU、ワロンと協議を続けたカナダの貿易相は21日夜、交渉の決裂を発表した。
EUは人口350万人の同地域の反対で、FTAの締結が危ぶまれていることに衝撃を受けている。ベルギーの条約締結には複数の地方議会の承認が必要なため、今週初めまでにワロンとカナダが妥結できなければ、条約締結が延期される。
EUのFTA締結が暗礁に乗り…