衆院東京10区補選で当選確実となり、花束を掲げる若狭勝氏(中央)。左は小池百合子都知事=23日午後8時4分、東京都豊島区、飯塚晋一撮影
小池百合子都知事とのパイプ役に――。そんな訴えを掲げた自民前職の若狭勝氏(59)が衆院東京10区補選を制した。民進新顔の鈴木庸介氏(40)らの訴えは都政で注目を集める「小池劇場」の前にかすんだ。「小池さんを支持するかどうかの選挙」。有権者からは冷めた声も漏れた。投票率も34・85%と都内の小選挙区としては過去最低だった。
自民前職の若狭勝氏、当選確実 衆院東京10区補選
「(今回の結果は)小池知事の都政の流れを国政にも及ぼしてほしいということ。都、国と連携を保ち、地元のために力を尽くしたい」。当選を確実にした若狭氏は23日夜、豊島区の事務所で支持者を前に話した。駆けつけた小池氏も「(有権者が)引き続き『東京大改革』を進めろ、地域のことは若狭に任せろという決断をした」と語った。
7月の都知事選で支援した小池氏との連携を全面的に押し出す選挙戦を展開。知事選で対立した自民党都連との確執は解消されず、地元での知名度不足も懸念材料だった。しかし、連日メディアに登場する小池氏が12日間の選挙期間中に計7日間、応援のマイクを握り、「後継者として任せたい」と紹介。小池氏がイメージカラーにした緑を選挙戦に用いるなど、圧勝した知事選の流れをそのまま持ち込んだ。
安倍晋三首相や公明党の山口那津男代表ら与党幹部も選挙中盤で応援に入り、組織票を固めた。政策では、東京五輪・パラリンピックのテロ対策の重要性を説き、元検事の顔をアピールした。
野党4党の統一候補として臨んだ鈴木氏は豊島区の事務所で「私の経験不足と努力不足で、こうした結果になった。深くおわびしたい」と頭を下げた。民進党の蓮舫代表が応援演説に駆けつけるなどてこ入れを図ったが、浸透しきれなかった。