現役引退の記者会見で、笑顔で語る栗原
東北から広島の日本一を静かに願う人がいる。
日本シリーズ特集
栗原健太。昨オフに広島を自由契約となり楽天にテスト入団した。ところが1軍出場はなし。古巣が25年ぶりの日本シリーズ出場で沸く中、手術をした右ひじの状態が戻らず「自分の打撃ができなくなった」と、ひっそり身を引いた。
引退会見で気になる言葉があった。「悔いはない。ひとつあるなら優勝の経験がないこと」。黒田や新井が抜けた後の2008年から4番打者として広島の苦しい時期を支えた。古巣が悲願を果たした年にバットを置く。気持ちに、どう折り合いをつけたのか。
栗原は、ある出来事を語った。…