チベット族の伝統衣装を身にまとい、澄んだ瞳に、さわやかすぎる笑顔で、馬を自由自在に操って大地を駆け巡る。そんなチベット族の美少年・丁真君が最近、10秒足らずの動画がきっかけで、ネット上の話題をさらっている。四川省甘孜藏(カンゼ・チベット)族自治州理塘県で暮らし、ワイルドなのにピュアな丁君を、ネットユーザーらは「スイートワイルドボーイ」と呼んでいる。
この爆発的な人気を受け、国務院国有資産監督管理委員会所属の理塘県文旅体投資発展有限公司は、丁君を同県の観光大使に抜擢した。
丁君の人気に火が着いて以降、故郷の理塘県に多くのネットユーザーが注目している。統計によると、「理塘」の注目度は11月20日から急上昇し、11月最後の一週間の「理塘」の検索回数が620%増と激増した。これは国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた連休の時よりも4倍多い数字となっている。
丁君がネット上で爆発的人気になっていることは、日本のテレビ番組でも報道され、「純粋な笑顔がまぶしい19歳」と紹介。「注目が集まったことで、地元の観光大使になった。SNSの動画がきっかけで、爆発的人気となり、出身地が一大観光地と化している。四川省に向かう航空便の利用者が2割増える社会現象となった」と伝えた。同報道にはたくさんの日本のネットユーザーが「いいね!」を寄せている。
1本のショート動画がきっかけで、一夜のうちに爆発的人気となった丁君は、「なぜ人気なったのかはよく分からないけど、注目してもらえたことで、故郷のPRの仕事がたくさんできるのでうれしい」と話す。そして、今後の計画について、「まずは勉強。会社が手配してくれる仕事一つ一つをきちんとこなしたい。それとこれからも乗馬を続けて、乗馬のチャンピオンにもなりたい」と語った。
丁君を観光大使に抜擢した理由について、理塘県文旅体投資発展有限公司の杜冬冬・総経理は、「丁君と契約して、当社の社員になってもらったのは彼を守るため。丁君が地元の観光事業と共に成長してくれることを願っている。現時点で、丁君が人気になったことで、理塘の観光の人気にも火が着いた。理塘のネット上での検索数も急増した」と説明した。
爆発的人気になった丁君をめぐって、中国全土の多くの省、区、市のメディア、文化・観光当局がSNSで、「うちの街に来てほしい」とメッセージを出すなどして、「争奪戦」を繰り広げている。杜総経理は、「全国各地から誘いが来ているということは、丁君が認められているということだ。今後の観光PRの仕事は、彼の勉強と並行して進めなければならない。今後、丁君が本当の意味で社会に溶け込みながら、その本意を保ち続けることを願っている」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年12月1日