封じ手を立会人の王銘琬九段(左)に渡す高尾紳路九段。中央は井山裕太名人=2日午後5時31分、甲府市、堀英治撮影
井山裕太名人(27)=棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段をあわせ七冠=に高尾紳路九段(40)が挑戦している第41期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第7局は、2日午前9時に甲府市の常磐ホテルで始まり、午後5時30分、白番の高尾挑戦者が88手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち消費時間は、黒番の井山名人が3時間52分、高尾挑戦者が3時間38分。3日午前9時に再開する。
【タイムライン】第41期囲碁名人戦七番勝負
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両者3勝3敗で迎えた最終戦はハイペースで進み、すでに大きな戦いの起こりにくい局面になっている。検討陣は、模様の囲い合いになると予想している。
黒47は名人の思い切った作戦。左上を白に譲るかわりに黒49、51と連打した。左下の難解な攻防に続き、白78からは大どころを打ち合う展開。挑戦者は左上一帯の模様を広げ、名人は下辺を拡大している。解説の加藤充志九段は「囲い合いからヨセ勝負へ進みそうです。両者が終盤に時間を残そうとしたため、ハイペースになったのかもしれません」と話した。(伊藤衆生)