西日本で販売する主な事業者
一般家庭向けに電力の販売が自由化されてから、半年余りたちました。大都市圏では、有力企業の参入が相次いでいます。地方では、地元でつくった電気を利用する「地産地消」の動きが広がりつつあります。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
家庭向けの電気(電灯部門)を扱っている新電力事業者は、7月時点で全国で約150社ある。資源エネルギー庁の統計では、ガスや通信の会社が目立ち、取扱量の全国1位は東京ガス、2位は大阪ガスだ。
増えつつあるのは生活協同組合だ。大阪いずみ市民生協(堺市)は4月、コープしが(滋賀県野洲市)は11月から供給している。コープこうべ(神戸市)は来年4月にスタートする。
地域名を冠した新電力も目につく。滋賀電力(滋賀県米原市)や和歌山電力(和歌山市)、香川電力(高松市)などは、中小事業者の電気の仕入れや管理などを代行する日本新電力総合研究所(東京)と提携して参入している。
小売店などが新電力の代理店になることもある。家電量販のヤマダ電機は沖縄県を除く全国で販売する。
大手電力から乗り換えるときの注意ポイントは、「料金体系の違い」と「セット割引」。新電力は、一定量以上使った場合に割安になるのが一般的だ。ガスや携帯電話などとセットで契約すれば、割引になるプランもある。電力消費量が大きい家庭では、乗り換えると料金が安くなることが期待できそうだ。
太陽光などの再生可能エネルギーを積極的に取り入れたり、地元で発電所を確保して地産地消をめざしたりする新電力もある。扱う電気の発電方法を公表している事業者なら、選ぶときに発電方法を考慮できる。
電力会社を換えるには、通信機能がついた電力量計(スマートメーター)が必要だが、取り換えは無料でできる。新電力との契約は、短期で解約すると違約金が発生する場合もある。(山村哲史)
■使う量少なくても割安
大阪いずみ市民生活協同組合(堺市)の「コープでんき」は、大阪府東部、南部の25市町村が対象。11月の料金改定で、使用量が少ない家庭でも関西電力の一般的な料金より割安になった。今年の計画では、固定価格買い取り制度(FIT)の再生可能エネルギーを38.5%使う予定だ。
■夜に使うと安いプラン
洸陽電機(神戸市)は北海道、北陸、沖縄を除くエリアで販売する。基本プランのほか、夜に使うと安くなる時間帯別プランが選べる。代理店になっているスーパーの平和堂(滋賀県彦根市)を通して契約すると、料金の1%が同社のポイントとして還元される。
■月5千円超で大手より得
坊っちゃん電力(松山市)は太陽電池を扱う企業が設立し、四国、関西、関東で電気を販売している。「月々の支払いが5千円を超える家庭なら大手電力より安くなる」という料金設定だ。地域内で太陽光発電を買い取る取り組みも、強化している。
■電気の8割「地元産」
中海(ちゅうかい)テレビ放送(鳥取県米子市)の「Chukai電力」は、県西部の7市町村で販売している。ケーブルテレビや電話、インターネットとのセット割引がある。電気の8割はバイオマス発電などによる「地元産」を使うという。
西日本に本社があり、家庭向けの販売実績がある新電力事業者から選びました。
(きりとりトレンド)