玄海3、4号機の今後の流れ
原子力規制委員会は7日、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)について、安全対策の基本方針が新規制基準に適合すると認める審査書案を9日の定例会で公表することを決めた。30日間の意見募集を経て正式決定されれば、先月決定した関西電力美浜原発3号機(福井県)に続き5カ所目となる。再稼働までにはさらに二つの認可が必要だが、地元自治体の同意が得られれば、来年度にも再稼働する可能性がある。
九電は2013年7月、玄海3、4号機の再稼働に向けた審査を申請。審査では、規制委の指摘を受け、想定される地震の揺れを540ガル(ガルは揺れの勢いを示す加速度の単位)から620ガルへ引き上げた。規制委は、こうした自然災害への備えや、重大事故への対応といった安全対策の基本方針が、新基準を満たすと認める見通しだ。
玄海原発は、東日本大震災後、運転再開の手続きが進んだ。しかし、県民への原発の安全性や必要性などの説明をめぐって、九電が関連会社員らに運転再開への賛成意見の投稿を呼びかけた「やらせメール」問題が発覚した経緯がある。(石塚広志)