文部科学省は8日、来年度から10年間で公立小中学校の教職員を約4万9千人減らせるとする財務省の試算について、「教育現場を理解しない暴論だ」と反論した。文科省は発達障害やいじめ問題などに対応するため、必要な定数を確保するよう求める構えで、2017年度政府予算案編成の焦点になりそうだ。
文科省はアクティブ・ラーニング(能動的な学習)をうたう新学習指導要領が2020年度から順次始まることなどを踏まえ、少子化によってクラスが減ることに伴う自然減を考慮しても、17年度から10年間で約1万5千人の削減にとどめるべきだと主張。予算案では約1兆5千億円を概算要求している。
一方、財務省は4日の財政制度等審議会で、発達障害の子どもらへの特別支援教育について「学級規模と学力の間に有意な関連は見られないという研究例が多数ある」などと指摘。文科省の主張に反論した。義家弘介・文科副大臣は8日、「障害による困難を克服するための教育であり、(学力のみの評価は)極めて不適切だ」と批判した。(水沢健一)