一橋大学非常勤講師で国際経営コンサルタントの植山周一郎さん（７１）は２８年前、トランプ氏にインタビューした。当時は「スマートで気配りできる男」で、今の「暴言王」ぶりが信じられないという。

【特集】米大統領選２０１６

【特集】「トランプ王国」を行く

１９８８年６月１３日、ニューヨークのトランプタワー２６階のオフィス。テレビ東京の番組「ハローＶＩＰ」の司会者だった植山さんは、不動産王として絶頂期のトランプ氏に会った。約１９０センチの長身でハンサム、黒髪だった。日米関係の話になると、「米国のバカな政治家のおかげで日本は上手に交渉して、莫大（ばくだい）な利益を上げている。見事としか言いようがない。日本を尊敬している」「米艦隊が守っているペルシャ湾を日本のタンカーが通って原油を運ぶ。日本は、それで家電や自動車をつくって米国に輸出してもうける。日本人は頭がいい」と話していた。

植山さんは「貿易や安保問題の持論は当時からだが、今のほえる口調ではなく、相手を傷つけないように配慮し、日本を褒めながら自らの主張をしていた」と振り返る。

冗談半分に大統領選出馬の可能性を尋ねると、「現在は不動産ビジネスを楽しんでいるし、集中したい。しかし今のようにバカな政治家が失敗を繰り返すようなら、将来、出馬を考えるかも」と話したという。植山さんは「まさかあの時の言葉が、現実になるとは」と驚く。

植山さんは高校時代に米国に１…