2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は9日の理事会で、野球・ソフトボールの一部を福島県で開催することを決めた。福島市の県営あづま球場が最有力とみられる。
10月に来日した国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が安倍晋三首相と面会した際、「世界に復興の進捗(しんちょく)を示せる」と発言して、日本の開幕戦など1次リーグの一部を東日本大震災の被災地で開催することを提案した。組織委もそれ以前から福島県内での開催を検討しており、福島市、郡山市、いわき市が招致していた。
福島市は「原発事故のあった福島第一原発と同じ名がつく我が市で開催すれば、復興を世界に発信できる」と訴えていた。組織委幹部によると、交通の便が良いうえ、候補の3市で唯一の県営球場で、様々な問題の交渉で県を窓口にできることから、福島市が高い評価を得ているという。
この日は内堀雅雄・福島県知事が組織委を訪れ、連携強化を確認した。世界野球ソフトボール連盟のフラッカリ会長が月内に福島県内の球場を視察したうえ、12月のIOC理事会で正式に決まる。主会場は横浜スタジアムを予定している。(能田英二)