フロマン米通商代表部代表
環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐり、米通商代表部(USTR)のフロマン代表は14日、ペルーで19~20日に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせて米国が主催するTPP首脳会合について、「TPPの先行きを議論する大事な機会になる」と話した。
米メディアとの対談で語った。フロマン氏はオバマ現政権下でのTPP議会承認については「我々は準備はできているが、基本的には議会が決めることだ」として、事実上断念したことを明らかにした。米政府高官は11日、TPPの承認は「共和党幹部と次期大統領が協議することになる」として、現政権では事実上断念したことを明らかにしていた。TPP参加国の中には「米国抜き」での発効を求める声もあり、ペルーの会合では今後の進め方について議論する見通しだ。
フロマン氏はまた、「TPPは死んだのか」との問いに対し、「(一時的な)苦行という表現の方がいい」として、トランプ次期政権で検討されることに期待を示した。トランプ氏が北米自由貿易協定(NAFTA)の再協議を公約していることについては「NAFTAを再交渉したものがTPPだ」と述べた。(ワシントン=五十嵐大介)