中国による東芝メモリ売却の審査の流れ
東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却手続きが長引いている。4月中の売却完了が有力視されていたが、米中の通商摩擦が激化してから、中国での独占禁止法の審査が進まなくなったためだ。いまは5月末が期限の追加審査中。東芝は、審査を通過できない場合の対応策も練り始めている。
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「問い合わせも来なくなった。これからどうなるのかまったく分からない」。東芝幹部は中国の独禁審査の行方にやきもきしている。
企業合併・買収(M&A)の契約がまとまると、関係する国・地域の独占禁止当局は、市場シェアの変化などによって競争が妨げられないかどうかを審査する。審査を通らなければ、合併・買収は完了しない。東芝メモリの売却に対する審査は、中国以外はすべて通過済みだ。
売却契約を結んだのは昨年9月。買い手は、米投資ファンドのベインキャピタルや光学機器メーカーのHOYA、韓国の半導体大手SKハイニックスなどでつくる「日米韓連合」だ。買収額は2兆円で、アップルなど米IT4社や日本のメガバンクも資金を出す。同業のSKは、買収直後は経営の議決権を持たず、10年間は最大15%までの制限つき。独禁審査を通過しやすくするための措置だ。
複数の関係者によると、中国の…